渡辺 佳恵の雑誌にまつわるエトセトラ

Vol.18

Update : 2013/03/21

「VERY」人気ゆえの落とし穴にご注意あれ

そもそも雑誌のページ数というのは大体決まっている。しかし、同じ雑誌でも月によって厚さが違うのは、その月によって入っているタイアップや純広告のページ数が異なるから。いわゆる、ニッパチとよばれる2月8月の閑散期は広告が入らないので薄い。逆に4月号や10月号などシーズン初めの号は、部数も伸びるので広告がたくさん入り、厚くなる。そして、雑誌の厚さは、その雑誌の調子の良さと比例している。部数が伸びていて、読者に影響力のある元気な雑誌には広告が多く入り、必然的に分厚くなる。
4月号を見渡す限り、「VERY」の厚さは群を抜いていて、「VERY絶好調!」を見せつけている。確かに「VERY」はよくできている雑誌だ。雑誌とはターゲットである読者が欲しがっている情報をいかに発信できているかが人気を左右するものだが、その点において「VERY」は拍手を送りたくなるほど、毎号、読者の心をつかむ企画を発信していると思う。「雑誌に載っても昔ほどものが売れなくなった」と言われている現在だが、「VERYだけは別。VERYに載ると飛ぶように物が売れていく」という話もよく聞く。それだけ今のVERYには信頼とカリスマ性があるということだ。
不景気な今、とてもいいことだなあ、という反面、先日、ニュースでこんな記事を見た。「VERYに憧れて、VERY的なライフスタイルを実現する主婦が急増しているのだが、それによって家計が破たんしている家も少なくない」と。確かに、「VERY」は主婦向け雑誌にしては、高級志向だ。イマドキな抜け感やカジュアル感は演出しているものの、主婦雑誌にありがちな「節約術」的な匂いはどこからもしない。まあ、だから憧れる人も多いのだろうが。でも、それで家計が破たんしてしまっては元も子もない。子供がいて、「VERY」的なライフスタイルを実行するには、最低でも世帯年収1500万は超えていないと難しい。けれど、今、日本で世帯年収1500万を超えている家庭は全体の3%にも満たない。これは、50代以上も含む数字だ。つまり、20~30代で区切ったら、おそらく1%にも満たないはず。
「VERY」的なライフスタイルは確かに素敵! だけれど、取り入れ上手な賢い奥さまはどうぞ、そのエッセンスを上手に取り入れる程度に留めて、どうか幸せな家庭生活を維持してほしい。「VERY」のキャッチコピーは「基盤のある女性は、強く、優しく、美しい」。どうぞ「基盤」を大切に。

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渡辺 佳恵
渡辺 佳恵
Yoshie Watanabe

’92年から14年間、雑誌「CanCam」のファッションディレクターとしてブームを仕掛ける。 現在は現在はライフ&ビューティディレクター として幅広く活躍中。 女性誌を長年、たくさん見てきた渡辺佳恵さんがJLoveコラムニストとして登場!

<渡辺佳恵公式サイト> http://watanabe-yoshie.com/