渡辺 佳恵の雑誌にまつわるエトセトラ

Vol.07

Update : 2012/10/05

「婚活」。この言葉に違和感を覚えてしまうのは、私だけ?

 雑誌「CLASSY.」が、少し前からターゲットを明確に「結婚したい女性」に変えたところ、売上が好調だという。それだけ、世の女性にニーズがあるということだろう。これだけ長引く不況で女性が結婚に安定・安住の地を見出し、そこに向かっていくのは理解できる。そして、結婚というものに対しても反対意見はなく、信頼出来るパートナーと人生を歩む、ということは、むしろとてもいい事だとも思う。しかし、「婚活」という、もうすっかりおなじみになった言葉に私はいまだに違和感を覚えてしまう。「結婚と恋愛は別物だ」という人もいるし、実際、生活を共にする結婚と、楽しいだけでよい恋愛は、確かに違う気もする。けれど、やっぱり、私は恋愛の行き着く先に結婚があって欲しいと思ってしまうし、さらに言えば、結婚は決してゴールではない。しかし、実際「婚活」をしている女子たちに話を聞くと、結婚はゴールであり、そこに向かって、努力している。全てにおいて努力するという行為はとてもいいことだと思う。けれど、先日、そんな婚活女子の一人に久しぶりに会ったとき、少し違和感を覚えてしまった。いつもネイルサロンで綺麗に整えられていた彼女の爪が、何もしていない爪になっていた。「あれ? ネイルやめちゃったの?」と聞くと「男性には、ネイルは評判が悪いって聞いたんです。それで、やめました。ネイル好きだったんですけどね」と残念そう。彼女の「ちょっとした偽り」は、きっと一部に過ぎず、「婚活」のため、彼女は様々な小さな我慢や嘘を重ねて行くのだろうと思う。自分の好きな事を我慢して、少し自分を偽って、婚活して、見事、結婚できたところで、彼女は果たして幸せなんだろうか? さっきも書いたが、結婚はゴールではない。長い人生、「本当の自分じゃない」自分を貫かなくてはいけなくなってしまう。私の友人で、婚活を重ね、出会った男性に「結婚したら家に入って欲しい」と言われ、彼の願いを聞き入れ、仕事をやめて結婚した女性がいる。しかし、仕事が大好きだった彼女は、数年後、耐え切れず離婚した。そう、結婚はゴールではないのだ。


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渡辺 佳恵
渡辺 佳恵
Yoshie Watanabe

’92年から14年間、雑誌「CanCam」のファッションディレクターとしてブームを仕掛ける。 現在は現在はライフ&ビューティディレクター として幅広く活躍中。 女性誌を長年、たくさん見てきた渡辺佳恵さんがJLoveコラムニストとして登場!

<渡辺佳恵公式サイト> http://watanabe-yoshie.com/