渡辺 佳恵の雑誌にまつわるエトセトラ

Vol.06

Update : 2012/09/20

ちっぽけなプライドより、もっと大事にしなくちゃいけないプライド、ありませんか?

 発売を心待ちにしていた今月の「BAILA」。お目当ては、モノクロの読み物「恋が進まぬプライドチキン」。紙面の中でも紹介されているので、ここで話しても問題ないと思うが、実はこの特集、仲良しの女医さん「友利新さん」の発信企画。先日、一緒にお食事していたとき「私、プライドチキンなんです。それをBAILAの取材でポロッとお話したら企画になるみたいなので楽しみで~」と。プライドチキンというのは「プライドが邪魔してそれゆえ恋愛にチキン(臆病)になってしまう人のこと」らしい。新先生のネーミングのうまさに拍手! だが、友利新先生といえば、TVや雑誌で大活躍の準ミス日本の経験もある、誰もが認める才色兼備の美人女医さん。そんな新さんが恋愛に臆病だなんてと耳を疑ってしまった。だが、特集を見ると、出てくる出てくる、読者の「プライドチキン」エピソード。なんでも、「BAILA」の読者層であるアラサー世代は、物心ついた時から不況だったゆえ、まじめに頑張らなくちゃいけなかった世代で、それゆえ、プライドが高くなってしまったそう。まあ、わからないでもない。でも、話を聞くと「???」と思うところも多い。あるアラサーの知人女性の場合。仲良くなった→大人の関係になった→「ちょっとそうなったからって、彼女ヅラしちゃって」と思われるのが嫌だから、何も言えず、不安を抱えたまま曖昧な関係。また、別の女性の場合、仲良くなった→これはきちんと付き合ってると思った→ある日、別の女の影が見えた→怖いから聞けずにそのまま関係を続行している。どちらの場合も、プライドチキンゆえの恋愛なのだと思うが、私にしてみれば、「それで、自分が表向き、恥をかかない、というプライドは保たれていると思うけれど、どちらのパターンも男性にとって都合のいい女でしかなく、彼に「都合のいい女」と軽んじられていることのほうが、よっぽど、あなたのプライドは傷つかないのですか?」と言いたくなる。
 プライドとは「自尊心、誇り」という意味。自分の人格を大切にする気持ちのことである。前者の女性の場合、ほんのいっとき「こいつ、この程度で彼女ヅラしちゃって」と恥をかくより、後者の場合、真実を知ってほんの一瞬傷つくより、「私という人間にきちんと向きあってもらえず、都合いい女だと扱われ続ける」ことのほうが、よっぽど自分自身は深く傷つくと思う。それは、表面上、誰にもばれないことかもしれないが、じわりじわりと自分に自信が持てなくなり、それゆえ、さらにくだらないプライドばかり身についてしまうという悪循環を生む。そもそも、ステキな女性は自分に自信があるから、ほんとうの意味での自尊心は持っているが、些細なプライドはさっさと捨てていて見ていて潔くてかっこいい。そして、そっちのほうが生きている本人も絶対に気持ちいい。ちっぽけなプライド、どうやったら捨てられるか。そのヒントが知りたい方はぜひ「BAILA」10月号の特集を読むといい。


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渡辺 佳恵
渡辺 佳恵
Yoshie Watanabe

’92年から14年間、雑誌「CanCam」のファッションディレクターとしてブームを仕掛ける。 現在は現在はライフ&ビューティディレクター として幅広く活躍中。 女性誌を長年、たくさん見てきた渡辺佳恵さんがJLoveコラムニストとして登場!

<渡辺佳恵公式サイト> http://watanabe-yoshie.com/